本記事では任期制隊員である「自衛官候補生」について記載します。
別記事🔗「一般曹候補生」の採用倍率と合わせて読むことで理解を深めることができます。
「全体の採用倍率」を確認するだけでは不十分だと言うことを理解しましょう。
「陸上自衛隊」や「航空自衛隊」など「志願区分別」で倍率が大きく違ってくるからです。
また「男子」「女子」でも採用枠が違うので、ここでも倍率が変動することを理解しましょう。

海上自衛官は倍率が低いそうだから狙い目かな?



実は一番は倍率が高いんだよ。
受験する採用区分により倍率は様々です。
思っているより倍率が高い区分もあれば、また、その逆もあります。
倍率が高そうと避けていた区分が、以外に倍率が低い場合もあります。
次に、倍率の確認の仕方を紹介します。
①年度区分:「R6」「R5」「R4」「R3」「R2」「R1」「H30」
②志願区分:「陸上自衛隊」「海自衛隊」「航空自衛隊」
③性別:「男」「女」
<例> ①令和6年 ー ②海上自衛隊 ー ③女子の倍率
∟ 下記表【採用倍率】から「採用倍率9.2倍」と一目で理解できます。
令和6年度までの過去7年分データ
【採用倍率】過去5年分 一覧表
性別 | R6 | R5 | R4 | R3 | R2 | R1 | H30 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
陸上自衛隊 | 男 | 5.3 | 5.9 | 6.3 | 5.6 | 4.9 | 4.1 | 4.1 |
女 | 6.9 | 7.8 | 6.3 | 5.1 | 3.3 | 2.9 | 3.3 | |
海上自衛隊 | 男 | 7.1 | 4.9 | 7.1 | 6.8 | 6.4 | 5.5 | 5.0 |
女 | 9.2 | 12.3 | 6.7 | 6.6 | 8.0 | 7.1 | 4.5 | |
航空自衛隊 | 男 | 5.9 | 4.9 | 4.6 | 3.7 | 2.8 | 3.1 | 3.2 |
女 | 7.2 | 6.6 | 5.6 | 5.7 | 6.0 | 7.9 | 8.3 |
※ 採用倍率=応募者数÷採用者数
【応募者・採用者数】過去5年分 一覧表
性別 | 状況 | R6 | R5 | R4 | R3 | R2 | R1 | H30 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
陸上自衛隊 | 男 | 応募者 | 8946 | 9661 | 11480 | 14030 | 15057 | 14663 | 14483 |
採用者 | 1692 | 1627 | 1832 | 2484 | 3099 | 3612 | 3549 | ||
女 | 応募者 | 1843 | 2108 | 2772 | 3479 | 3578 | 3434 | 3301 | |
採用者 | 269 | 270 | 437 | 683 | 1072 | 1167 | 1002 | ||
海上自衛隊 | 男 | 応募者 | 3004 | 1871 | 3282 | 3627 | 3392 | 3509 | 3863 |
採用者 | 423 | 383 | 461 | 533 | 534 | 640 | 767 | ||
女 | 応募者 | 737 | 749 | 852 | 930 | 845 | 932 | 922 | |
採用者 | 80 | 61 | 127 | 140 | 105 | 131 | 204 | ||
航空自衛隊 | 男 | 応募者 | 3396 | 3263 | 3796 | 4604 | 4610 | 5038 | 4503 |
採用者 | 578 | 671 | 834 | 1231 | 1618 | 1648 | 1424 | ||
女 | 応募者 | 1396 | 1381 | 1652 | 1602 | 1421 | 1268 | 1073 | |
採用者 | 193 | 209 | 279 | 279 | 236 | 161 | 129 |
【参考】近年の採用状況について
近年の採用状況をみてわかることを簡単に解説します。
- 男子・女子共に、陸上自衛隊の倍率だけが下がっている。
- 応募者が増加しているのは海上自衛隊だけ。



自衛官候補生の採用に関して、令和6年度は採用計画人数を大きく下回っています。ここ数年は自衛隊の採用はされやすいと言えます。
【分析】確実に採用を狙う場合
「自衛官候補生」については志願票を提出する際は「陸・海・空」すべてを希望することができます。
すべて希望することで、採用確率を上げることができます。
「一般曹候補生」とは違い、倍率を気にすることなく、自分の希望する「志願区分」を素直に記入することをおすすめします。


「自衛官候補生」の試験結果「合否」については基本的にHPで掲載されません。
最寄りの「地方協力本部(地本)」からの連絡になります。
※一部の「地方協力本部(地本)」はHPでの掲載をしています。
地本からの連絡手段は電話、郵送、学校の進路を通してなど様々ですので、受験の際に担当の広報官に確認しておきましょう。



海上自衛隊は枠がうまっているため行けないけど、第2希望の陸上自衛隊なら入隊できるけどどうしますか?



回答期限はいつまでですか?
〇月〇日までにお電話いたします。
第2・3希望で〇をつけたから必ず入隊しないといけないルールはありません。
そのため、採用確率を少しでも上げたい場合はすべて〇で囲みましょう。
【分析】男女別の採用倍率の比較
男子の採用倍率について
- 陸上 4.1~6.3倍
- 海上 5.0~7.1倍
- 航空 2.8~5.9倍
陸上自衛隊は4.1~6.3倍と安定した倍率
倍率が安定する理由は採用枠が多いからです。
受験者が大幅に増減しないかぎり、倍率が大きく上下する状況はないです。
海上自衛隊は5.0~7.1倍と最も高い倍率
「自衛官候補生」では海上自衛隊が毎年倍率が高くなる理由は2つ考えられます。
- そもそも「自衛官候補生」の枠が少ない。
- 短期間で多くのお金がもらえることです。乗組員手当(43〜55.5%)など給与面では最も優遇させています。
航空自衛隊は2.8~5.9倍と最も低い倍率
R6年度は「自衛官候補生」の倍率が5.9倍で過去7年で最も倍率が高い年となりました。
航空自衛隊が第一希望なら「一般曹候補生」3.8倍も合わせて受験しましょう。
女子の採用倍率について
- 陸上 2.9~7.8倍
- 海上 4.5~12.3倍
- 航空 5.6~8.3倍
採用倍率が大きく変動する理由
女子の採用枠は男子に比べて少ないため、採用者枠の変動により大きく倍率が変動します。
R6年度は航空自衛隊だけ倍率が上がっています。
陸上自衛隊は3.3~7.8倍
倍率が上昇してきているのはR3年度以降の採用枠の減少によるものです。
海上自衛隊は4.5〜12.3倍と最も高い倍率
R6年度は採用者数が61名から80名と採用人数が増員となりました。
その結果、倍率は12.3倍から9.2倍と多少落ち着いきましたが、まだ高い倍率は高い状況です。
航空自衛隊は5.6~8.3倍と安定した倍率
応募者数と採用者数が安定しているため近年は6倍前後とブレは小さくなっています。



「一般曹候補生」合格したんだけど、
「自衛官候補生」は不合格でした。



難しいはずの「一般曹候補生」だけ合格する
原因の一つは倍率の可能性もあるね。
さいごに



男子・女子ともに「自衛官候補生」の方が受験者も多く倍率が高いんですね。



自衛官候補生には任用一時金という制度もあり、入隊3ヶ月で約12万円もらえるんだよ。しかも、R8年度からは約34万円と増額されるのも人気の秘訣かもね。
R6【倍率の比較】陸上・海上・航空自衛隊の総合数値
男子 | 自衛官候補生 | 一般曹候補生 |
---|---|---|
応募者数 | 15346 | 14999 |
採用者数 | 2693 | 3875 |
採用倍率 | 5.7 | 3.9 |
女子 | 自衛官候補生 | 一般曹候補生 |
---|---|---|
応募者数 | 3976 | 3820 |
採用者数 | 542 | 845 |
採用倍率 | 7.3 | 4.5 |
採用倍率について数字を理解することは、とても大切です。
理由は簡単で、合格することで目標が達成されるからです。



「自衛官候補生」合格倍率5倍でも恐れることありません。



5倍って「5人に1人が合格」できるってことだよね?



そうだよね。けど自衛隊の倍率には秘密があるんだよ。
次の記事を確認してみてね。
\ 「自衛隊の倍率」それホント?? /