「自衛官候補生」は2~7年程度を目途に任期制自衛官として勤務する制度です。
公務員は終身雇用が一般的ですが、自衛官候補生は違います。
終身雇用ではありませんが、非正規雇用ではありません。
誤解されがちですが、正規の特別職国家公務員となるのです。
任期は希望により継続でき、昇任試験に合格すれば、定年まで勤務することも可能です。
だいたいの「自衛官候補生」は5年前後で定年まで勤務するか、退職するかを決定します。
もし、退職して民間企業への就職を希望する場合。
その際は、タイトルにもある通り、
定年まで勤務するにせよ、就職支援を受けて再就職するにせよ、選択肢が広い制度です。
そのため、将来仕事を失うこともなく、とても安定していると言えます。
現代は転職するのが当たり前の時代です。
任期制隊員「自衛官候補生」のメリットやデメリットを含め確認していきましょう。
- 自衛官候補生で入隊した場合の将来設計がイメージできる。
- メリットとデメリットを知ることで、任期制が人気の理由が理解できる。
- 終身雇用制度へ変更する2つの方法を知れる。
任期制であることの「メリット」&「デメリット」
自分が理想とする働き方は「任期制」または「終身雇用」のどちらがあっているのか考えていきましょう。
特例退職金制度63~265万円がもらえるため、短期で数百万貯金することができる。
就職してからも選択肢が多い。また、就職支援制度が充実しているあるため再就職率は99.6%。
終身雇用となる制度へ移行する方法は2つある
終身雇用でない。将来自衛隊を続けるか、退職するかを考える必要がある。
終身制として定年まで勤務するためには、選抜試験に合格しなければならない。
公務員なのに終身制でないことで両親等に心配される。
特例退職手当について
特例退職手当とは、任期満了のタイミングで支給される手当金のことです。
”退職手当”とされていますが、実は任期満了毎に支給されます。
●特例退職手当(任期満了毎に支給)
陸上自衛隊 | 海上・航空自衛隊 | |
---|---|---|
1任期 | 約63万円(2年) | 約103万円(3年) |
2任期 | 約157万円(2年) | 約162万円(2年) |
累計 | 約220万円(4年) | 約265万円(5年) |
R5年4月入隊で陸上自衛隊で4年間勤務
R7年3月に63万支給(任期満了)
R9年3月の退職時に157万支給
合計で220万支給される。
<例2>
R5年4月入隊で海上・航空自衛隊で3年間勤務
R8年3月の退職時には103万支給
毎月の給料と年2回のボーナスも支給されるので、一般曹候補生とくらべると若いうちにたくさんお金をもらうことができる制度です。
民間企業へ就職支援について
自衛隊での任期を修了し、民間企業へ就職する任期制自衛官は「中途退職」ではありません。
そのような誤解が生じないよう、「自衛隊新卒」と呼ばれ優遇されています。
就職決定率は99.6%
教育訓練・勤務を通じ、規律・責任感、実行力、チームワーク等の資質を既に身に付けている。
企業が大卒を採用する際、特に重視する行動力・実行力、チームワーク力等を備えている。
とされてるため、企業側からは積極的に採用したいという声が多数寄せられています。
そのため、就職を希望する場合はほぼ就職を決定することができます。
引用の参照元:任期制自衛官制度案内(PDF)|防衛省
業種別就職状況
引用の参照元:「自衛隊新卒」ご活用のお願いについて(PDF)|防衛省
自衛隊を続けたくなった時はどうすればいいの?
自衛官として働く中で、定年まで自衛官として勤務したい。と思った時は2つの選択肢があります。
①「自衛官候補生」のまま、3曹選抜試験に合格する。
②「一般曹候補生」の試験に合格する。
いずれの場合も勉強は必要です。
「自衛官候補生」として入隊後でも、自衛隊を続けたい場合は、
終身雇用制度へコース変更することが大切です。
①と②の試験内容の違いについて
①3曹選抜試験 | ②一般曹候補生の試験 | |
---|---|---|
筆記試験(一般教養) | 1次試験(国・数・英) 全20問 | 1次試験(国・数・英) 各15問 |
〃 (自衛隊法) | 20問 | × |
口述試験 | 2次試験 | 2次試験 |
体力検定 | 2次試験 3㎞走、腕立て、腹筋 | × |
①3曹選抜試験を突破して3曹へ昇任する方法
選抜試験は入隊後約3年以降から開始されます。
昇任試験は年に2回(春・秋)に実施されます。
筆記試験合格者のみ、口述試験と体力検定がおこなわれます。
筆記試験について
3曹選抜試験は「一般曹候補生」と違って、筆記試験に自衛隊法の勉強が必要です。
自衛隊法とは、「任務・行動・権限・組織等」定められた規則のようなものです。
自衛官になれば必ず勉強するものになってきます。
筆記試験に関しては6割程度正解がボーダーラインとなっているようです。
口述試験について
試験対策としては、上官の質問を理解して正しく受け答えすることです。
聞かれた質問に対して、自分の考えをはっきりと話せる準備が必要になります。
また、自衛官らしくはきはきとした返事・話かたを心がけましょう。
身だしなみに関しては、正しい制服の着こなし、端正に整髪すれば問題ありません。
むしろ坊主で面接に挑む隊員はほぼいません。
面接内容に関しては、自衛隊を続けたい気持ちをはっきり伝えましょう。
今までやってきたことや、これからの目標などを明確に話すことで評価してもらえます。
体力検定について
次に、体力検定ですが、3㎞を何分で走れるのか計測します。タイムにより級が与えられます。
腕立てと腹筋に関しては、2分間での回数で級が与えられます。
3種目で一番低い基準の級(1~6級)が与えられるため、苦手なを克服することが大切になります。
昇任意欲が高い者に対しては、勉強会や体力練成が実施されるのでサポート体制は整っています。
自衛官でありながら「一般曹候補生」の試験を受験する方法
このまま自衛官を続けたいと思った時点で、「一般曹候補生」を受験しましょう。
理由は、「一般曹候補生」は終身雇用を原則としているからです。
チャンスがある時に、終身雇用を原則とする制度に移る方が、将来は安心だと考えられます。
自衛官として勤務しながら「一般曹候補生」を受験するチャンスは年に3回(5月・9月・12月)
高校生・大学生・社会人と混じり「一般曹候補生」を受験します。
その際は、職場の上官に受験する意思を伝えれば、手厚くサポートしてもらえます。
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まとめ
自衛官候補生は退職後の選択肢が多く、最短2年と短い期間、自衛官を経験できる貴重な制度です。
また努力しだいで定年まで継続することも可能です。
やりたいことが明確ではない、夢を多くもつ若者にはとてもおすすめできる制度です。
また、即応予備自衛官・予備自衛官に登録することで、退職後の進学支援制度(令和3~試行)も開始されました。
・即応予備自衛官 年額 24万/年
・予備自衛官年額 年額 4万/年
民間企業の就職支援だけでなく。進学まで支援されることで、今まで以上に選択肢が広がっています。
給与・福利厚生等も充実しているので、興味があれば受験してみて下さい。